世代を超えたつながりやワークライフバランスの話題も盛り込まれています。
そして、注目すべき点がもう一つ。ネット通販会社が舞台ということもあり、ウェブサイト運営やウェブマーケティングの話題も出てくるのです。
実際にウェブ業務に関わっている私からみても、劇中のセリフには参考になるものが多く、とても勉強になります。
こんな人におすすめ!
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『マイ・インターン』はどんな映画?【あらすじ等】
では、まず基本的な情報を押さえておきましょう。
映画情報
- 原 題: The Intern
- 公開年: 2015年
- 主 演: アン・ハサウェイ、ロバート・デ・ニーロ
- 監 督: ナンシー・マイヤーズ
70歳のベン(ロバート・デ・ニーロ)は、ジュールズ(アン・ハサウェイ)が経営するネット通販会社で、シニア・インターンとして働き始めます。
当初、年配のインタ―ンに強い違和感を覚えていたジュールズや社員たち。しかし、徐々にその人柄に魅せられ、大切な仲間とみなすようになります。
成功した経営者とみなされているジュールズも、仕事と家庭にそれぞれ悩みを抱えており、そこへ大人の分別をもったベンがそっと寄り添います。
自分も今後シニアとして仕事を続ける場合、「ベンのように、職場の若い人たちと関わることができたら素晴らしいな」と思わせてくれます。
ロバート・デ・ニーロと言えば、「ゴッドファーザー PART II」のようなアクの強いキャラクターが印象に残っていますが、このように素敵な人柄も演じることができるのですね。さすがは名優。
ロバート・デ・ニーロとアン・ハサウェイが演じる、全く世代が異なる二人のキャラクターが、どのように信頼を深めていくのか、注目です。
『マイ・インターン』の中で話される英語の特徴は?
全体的に聞き取りやすい英語で、スラングは少なく、英語教材として最適です。
オフィスのシーンが多いので、まさにビジネス英語表現を学ぶのにぴったりな作品。
場面や用語について
オフィスで使われる英語表現が頻出。
洋服のオンライン通販の会社を舞台に、サポートデスク、在庫管理、マーケティング、人事など、実際にオフィスで交わされるビジネス英会話が多数出てきます。
舞台がIT企業でもあるので、ウェブサイト開発や運営に関する基本的な表現を学べるのもおすすめできるポイントです。
また、ワークライフバランスや子育てなどの話題について、日常英会話にもたっぷり触れることができます。
登場人物が話す英語について
『プラダを着た悪魔』と同様、主演のアン・ハサウェイのセリフはとても聞き取りやすいので、英語の学習に最適。
もう一人の主役、ベン(ロバート・デニーロ)は落ち着いた紳士ということもあり、常に場をわきまえた丁寧な表現(場面によってはカジュアルな表現も)を使っています。
また、職場には若者が多いので、今どきの表現も多数出てきます。彼らとベンのセリフと聞き比べて、世代間の違いをみるのも一興ですよ。
『マイ・インターン』で学べる英語表現【セリフから紹介】
※著作権違反とならないように、一部表現を変更している箇所(固有名詞を代名詞に変更する等)があります。
※()内は劇中でそのセリフが出てくる目安の時刻です。
お待ちいただき、ありがとうございます。
コールセンターでの電話対応で出てくるひと言。
調べるのに時間がかかる時など、相手に待ってもらいたい時に使える表現です。電話やメールでよく使います。
面接についてのメールをいただきました。
インターンの面接に来社したベンが、受付でこのように話します。
とても簡単な表現ですが、「about」の後を入れ替えることで、色々な話題に応用することができます。
私たちはとても感銘を受けました。
ベンの自己紹介動画を見た感想を話すシーン。
相手のことを称賛する時に使える表現で、私もよく使います。
折り返しお電話します。
電話の相手に、後でかけ直すことを伝える時のセリフです。
日常よく使いますので、このまま覚えてしまいましょう。
あなたにメールを送ります。
ジュールズがベンに、何かお願いしたいことがあればメールを送ると伝えるシーン。
ものすごくシンプルですが、業務で頻繁に使う表現なので、すぐに口をついて出るようにしておきましょう。
次の月曜はどうなるのですか?
仕事でも、日常生活でもよく使われる表現。
相手の発言を受けて、指摘や疑問を投げかける時に使えます。
リストを少し見てみましょう。
相手の提案に気乗りしないジュールズが言われたセリフ。
「take a look at ~」は「~をちらっと見てみる」という意味で、「まあ、とにかく見てみようよ」と促す感じですね。
無理強いする印象が和らぎ、同僚のアメリカ人もよく使っています。
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『マイ・インターン』で気になることを質問!【ホズが答える】
世代間のギャップを超えて、主要人物たちが公私でよい関係を保っていく、温かい雰囲気の作品です。
女性監督らしい感性が感じられる映画とも言える気がします。
立ち上げてから18ヶ月という新しい会社が舞台で、オフィスには若者が多く、スタートアップ企業の活気ある雰囲気も味わえます。
正直なところ、衝撃的と言えるような事件や展開はなく、映画らしい演出や見せ方は『プラダを着た悪魔』の方が上だと感じます。
この作品のもつ日常性や雰囲気を好きになれるかどうかで、評価が分かれるところでしょう。
ただ、各シーンが丁寧に描かれており、場面に合った英語表現を学ぶのにとても適しているのは間違いありません。
『マイ・インターン』のここにも注目!
ダイバーシティやワークライフバランスについても学べる
スタートアップ企業で起こりがちな問題や、仕事と家庭の両立などの問題を扱っているこの作品。
ダイバーシティやワークライフバランスについても考えさせられる内容です。
ダイバーシティを扱い、ビジネス英語も学べる映画としては、他に『インターンシップ』や『ドリーム』もあります。
また、ワークライフバランスや生活スタイルを見つめ直す姿を描き、仕事で使える英語を学べる映画には、『マイレージ、マイライフ』、『恋とニュースのつくり方』もおすすめです。
経営者として必要なことは?
ウェブ通販企業の経営者として、足りないところを指摘され、悩むジュールズ。
新しいCEOを迎え入れるように進言されると、
「10代で起業したマーク・ザッカーバーグは、CEOを外部から招き入れたことなんかないわよ」
と反論します。
では、そのマーク・ザッカーバーグがどんな起業をしたのでしょう…?
それは、映画「ソーシャル・ネットワーク」を視聴すると分かります。そちらもぜひチェックを!
まるで映画「プラダを着た悪魔」の続編?
同じくアン・ハサウェイ主演で、しかも同じファッション関係を扱っていることから、本作品はまるで『プラダを着た悪魔』の続編のような錯覚に陥ってしまいます。
「プラダを着た悪魔」では、アシスタントとして鬼上司にさんざんこき使われる役だったアン・ハサウェイが、この作品では逆にアシスタントに多くの仕事をさせる立場の役になっているのも興味深い点です。
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