巨大IT企業で、楽しくインターンを疑似経験しながら英語を学べる ー そんなユニークな作品が「インターンシップ」。
カリフォルニアにあるGoogle本社を舞台に、インターンシップ・プログラムを通じて、ビジネスに必要なコミュニケーションに触れることができます。
当然、ITに関する研修がほとんどなので、IT関連の用語や表現にも詳しくなれる作品なのです。
実際に、業務でIT開発や運用に関わっている私からみても、参考になる表現が多く、とても勉強になります。
こんな人におすすめ!
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『インターンシップ』はどんな映画?【あらすじ等】
では、まず基本的な情報を押さえておきましょう。
映画情報
- 原 題: The Internship
- 公開年: 2013年
- 主 演: ヴィンス・ヴォーン オーウェン・ウィルソン
- 監 督: ショーン・レヴィ
失業した元セールスマンの中年男性2人。ITオンチの2人が選んだ次の道はなんとGoogle社のインターン!
優秀な若者たちに交じって奮闘する2人は、果たして正社員の座を手に入れることはできるのか?
底抜けに明るく、いつも前向きな主人公2人の言動から、ビジネスや日常で使える英語表現をたっぷり学べます。
Google本社の、これ以上なく自由で解放的な雰囲気も十分に味わえて、自分自身がインターンシップに参加しているような疑似体験ができるのも、おすすめポイントです!
『インターンシップ』の中で話される英語の特徴は?
軽口の日常会話や、Googleオフィス内での会話がテンポよく展開されます。
登場人物は若者が中心ですが、何と言っても主人公2人が40代のおじさんですから、世代間でどのような英語表現の違いがあるか、比べてみるのも面白いですよ。
適度にIT用語が出てきて、ヘルプデスクの電話対応や営業の場面での英語も学ぶことができます。
励ましや説得のためのセリフも多く出てくるので、コミュニケーションや人間関係作りの勉強にもなります。
場面や用語について
Google本社内での研修場面が多く描かれます。
オンライン面接や、研修での説明、チーム内での自己紹介やブレーンストーミング(アプリ開発のアイデア出し)、バグ調査、ヘルプデスク、さらに営業のシーンなど、さまざま。
IT用語が出てきますが、難解ではありません。
その他、冒頭や終盤では営業の場面も出てきます。特に難しい表現はなく、どのような流れでクロージングに持っていくかに注目してみましょう。
登場人物が話す英語について
主人公2人以外の、多くの登場人物はITの知識やスキルをもった若者で、スラングも交えた今どきのセリフが多数交わされます。
インターンシップ・プログラムの責任者はインド訛りの英語を話すので、聞き取りにくく感じることがあるかもしれません。ただ、IT業務ではインド出身の人がとても多いので、実戦的な聞き取り訓練ができます。
なお、主人公2人は元優秀なセールスマンということもあり、その営業トークの上手さも勉強になりますよ。
『インターンシップ』で学べる英語表現
※著作権違反とならないように、一部表現を変更している箇所(固有名詞を代名詞に変更する等)があります。
※()内は劇中でそのセリフが出てくる目安の時刻です。
コードを検証する必要がある。
バグを見つけるという課題で出たセリフ。
コードはソースコード(source code)の略で、プログラム用に書かれた記述のことです。
体系的なコードの検証作業を指す「コードレビュー」(code review)という表現もあります。
いずれもIT開発プロジェクト等では、よく使われる表現です。
ネットワークの問題ではなかった。
システム障害の原因はいくつもあります。
問題があるのがどこなのか、プログラム、ネットワーク、サーバー… と一つずつ調査して潰していき、徐々に原因を絞り込んでいくのが、障害調査の王道。
そんな時、このような英語表現が使えます。
私たちのアプリへのリンクを添付した。
「添付する」を表すには「attach」が使えます。また、「アプリ」はもともと英語では「application」ですが、短く「app」とも表せます。
すでにダウンロードされている。
インターンシップ・プログラムの一つ、アプリ開発でダウンロード回数を競うシーン。
アップロード、ダウンロードはもう日本語のように日常使われていますね。ここでは、「download」が受け身で使われています。
Gメールにログインできなくなったのですね。
ヘルプデスクで電話の応対をしている時、出てきた表現。
もともと「locked out of ~」で「~から締め出された」という意味。
そこから、システム等にログアウトしたまま、ログインできなくなった状態も表すことができます。
全てのクッキーを削除してください。
これもヘルプデスクで電話の応対をしている時に出てきた表現。
「cookie」とはウェブの技術の一つで、ユーザーの再入力の手間を省いたり、最適なコンテンツ表示を実現するために利用されています。
他方、不正あるいは古い「cookie」が残っていると、想定外の現象を起こす場合があるので、削除を促す方法を説明している訳です。
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『インターンシップ』で気になることを質問!【ホズが答える】
個人的な感想になりますが、私はとても面白いと思いました。
ギクシャクしたチームが徐々にチームとしての連帯を深めていき、成功に近づいていく…という王道ストーリーですが、世代間のギャップやITオンチの描き方がうまく、とても楽しめます。
優秀にみえる若者たちも未熟な部分や悩みを抱えており、人生経験の豊かな主人公たちとの対比がなかなか秀逸。
終盤の展開で、Google社の企業理念と結びつけるのも見事だなと思いました。
映画評論家の評価はあまり高くないとの情報もありますが、個人的には満足のいく作品です。
バグ調査、アプリ開発(アイデア出し含む)、ヘルプデスクでの照会対応、サービスの説明(営業)といった場面が出てきます。
あまり難しい内容ではなく、基本的なIT表現を覚えるのにとても役に立ちます。
私も作品で出てきた英語表現を覚えて、日常業務でよく使っていますよ。
『インターンシップ』のここにも注目!
Googleの共同創業者・セルゲイ・ブリンもカメオ出演
Google社が全面協力して撮影されたこの作品。
実は、Googleの共同創業者・セルゲイ・ブリンもほんの少しだけ出演しています。
終盤、社の敷地を歩く主人公2人に声をかける男性がセルゲイ・ブリン本人。
セルゲイ・ブリンはスタンフォード大学出身なのですが、同大学はGoogle本社からとても近く、そのキャンパスの場面も少しだけ作品に登場しています。
あと、監督のショーン・レヴィも、少しだけ作品内に登場。ナップボッド内で昼寝をしていて、ニックに「うるさい」と文句を言う人物がそうです。
Google社やアメリカ西海岸の雰囲気も感じ取れる
無料の食事、バレーボールコート、サイクリング、サウナ、昼寝用ポッド、クリーニング等々…
まるで一つの街であるかのようなGoogle社の巨大な敷地内は、信じられないほど自由で開放的。どんなサービスでも揃っている印象です。
社外でも、全体的に西海岸特有の明るく自由な雰囲気が感じられます。
こうした雰囲気が自由で豊かな発想を生みやすいことから、IT企業が集まる一因でもあるのでしょう。
そう言えば、別記事で紹介した『ソーシャル・ネットワーク』でも、Facebookを拡大するためにマークたちは西海岸へ拠点を移していました。
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