「法律用語や法律事務所で使う英語表現を学びたい」
「訴訟に関する英語表現を学びたい」
そんな人たちにおすすめできる映画が、今回紹介する『エリン・ブロコビッチ』です。
実話をもとにしたこの作品。厳しい状況にあっても、あきらめずに前に進むことの大切さを教えてくれる作品でもあります。
『エリン・ブロコビッチ』は、3人の子供を抱えるシングルマザーのエリン(ジュリア・ロバーツ)が、大企業が排出する汚染物質に苦しむ人々を救うために奔走する物語。
史上最高額の和解金を得ることに成功するという、実話をもとにしています。
この作品で、主演のジュリア・ロバーツは第73回アカデミー賞(主演女優賞)に輝きました!
こんな人におすすめ!
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『エリン・ブロコビッチ』はどんな映画?【あらすじ等】
映画情報
- 原 題 : Erin Brockovich
- 公 開 年 : 2000年
- 主 演 : ジュリア・ロバーツ
- 監 督 : スティーブン・ソダーバーグ
舞台は1990年前半のアメリカ・カリフォルニア州。
3人の子供を抱え、苦しい生活を余儀なくされるシングル・マザーのエリンは、交通事故の裁判で関わることになった弁護士エドワードの法律事務所で働くことに。
そこで担当した案件から、大企業による環境汚染が周辺住民の健康に深刻な被害を与えていることに気付きます。
エリンはエドワードと住民と協力し、巨大企業を相手に訴訟の準備に奔走するが、そこには多くの困難が立ちふさがる…というストーリー。
映画『エリン・ブロコビッチ』の中で話される英語の特徴は?
主人公エリンが、奮闘する姿を描く本作品。
エリン自身は、学歴がなくやや粗暴なところも描かれていますが、法律事務所や住民とのコミュニケーションもあり、人間関係を構築しつつ、仕事を進めるための英語に触れることができます。
場面や用語について
ビジネス英語を学べる場面として、法律事務所や企業関係者との折衝の場面などが描かれます。
その他、原告団の人たちや家庭でのカジュアルなコミュニケーションの場もあり、幅広い英語に触れることができるのが特長。
もちろん法律用語も出てくるのですが、それほど難解ではありません。
また、汚染物質による健康被害を訴える人々が多数登場し、さまざまな病状、病名も出てきます。
例えば、セリフの中で「tumor」(腫瘍)という表現が何度も出てきて、自然に覚えてしまいました。
登場人物が話す英語について
弁護士といった社会的なステータスが高い人物から一般の人まで、さまざまな人物が登場する本作品。全員、標準的なアメリカ英語を話します。
訛りの強い英語は特になく、主人公のエリンがスラングを話す場面もいくつかありますが、それほど気になりません。
子供たちやパートナーとの会話から、日常使える英語表現を学べます。
*ビジネス英語を学べる映画全般は、以下の記事を参考にどうぞ。
私(ホズ)が、徹底的にこだわっているビジネス英語勉強法 ー それは映画を使った英語学習です。 そのおすすめ理由は記事「映画を使った英語学習をおすすめする3つの決定的理由【TOEIC950の実績あり】」で説明した通り。 そこで今回[…]
映画『エリン・ブロコビッチ』で学べる英語表現
※著作権違反とならないように、一部表現を変更している箇所(固有名詞を代名詞に変更する等)があります。
※()内は劇中でそのセリフが出てくる目安の時刻です。
※英語音声には音読さんを使用しています。
新聞の求人広告緒のことでお電話しているのですが。
苦しい生活の中、必死に電話をかけて職探しをするエリン。
「I’m calling about ~」で、「~についてお電話しています」と用件を伝えることができ、ビジネスの場面でも応用できますね。
彼女は給与と小口現金を担当している。
「handle」はとても使い勝手がよい表現。
ここでのように「担当する、運営する」という意味に加え、「対処する、処理する」という意味もあり、仕事での応用範囲がとても広い表現です。
この件、調べてもよろしいでしょうか?
上司であるエドワードに、このように尋ねるエリン。
「Would you mind if ~」で「~してもよろしいでしょうか?」となり、許可を得る時に便利な表現です。
彼らが受け入れるとは思えませんが。
相手の弁護士から提示された条件に、半ばあきれ顔でこのように言うエドワード。
「I doubt ~」で「~とは思えない」という否定的なニュアンスを伝えることができます。
彼は我々の訴えを取り下げるでしょう。
どのような方針で裁判に臨むか、エドとエリンは検討を重ねます。
「dismiss」は「解雇する、却下する」という意味もあります。
全ての情報を注意深く確認しました。
裁判官は判決を言い渡す前にこのように言います。
「review」は資料の確認など、仕事の場面で頻繁に使われる表現です。
我々は原告に連絡できるようにする必要がある。
パートナーとなるはずの法律事務所は、高圧的な態度でエリンたちの成果のアラ探しをしようとします。
「plaintiffs」は「原告」で、弁護士や訴訟を扱う映画やドラマでは非常に高い頻度で出てくる単語なので、覚えてしまいましょう。
調停において陪審はありません。
相手企業に対してどのような方針で臨むべきか、エドワードが原告住民に説明しているシーン。
「jury」は「陪審(員)」、「binding arbitration」は「調停、仲裁」という意味です。
もし好ましい結果でない場合、どのような選択肢がありますか。
「option」(選択、選択肢)は、日常生活や仕事でもとてもよく使う表現。
「What option do we have」(どのような選択肢がありますか)として、質問や提案を促す時にも使えます。
裁判官の判決は最終的なものだ。
これもエドが原告住民に対して説明会するワンシーン。
「~ is final 」と言って、最終的なものであることを明示することができます。
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『エリン・ブロコビッチ』で気になることを質問!【ホズが答える】
全く問題ありません。
私は何度もこの作品を見ていますが、むしろ一般常識として知っておいた方がよいと思われる英語表現が多いと感じます。
ビジネスや日常生活で交わされる基本的な会話もたくさん学べるので、ぜひ視聴してみてください。
主人公エリンがスラングを話す場面がいくつかありますが、それほど気になりません。
むしろ「一般には、こういう表現が現実的に使われているのだろうな」と感覚をつかむことができるよい機会になりますよ。
生きた英語表現を学べる教材としてとらえるのがおすすめです。
映画『エリン・ブロコビッチ』のここにも注目!
主人公エリンは実在の人物【ジュリア・ロバーツとの共通点も⁉】
映画の主人公エリン・ブロコビッチは実在の人物で、現在も環境活動家として活動しています。
専門的な法律の教育は受けたことがなく、3度結婚・離婚しているそうで、やはり劇中で描かれる人物像に近い(同じ?)なのだろうな、と感じさせます。
監督のスティーブン・ソダーバーグによると、エリン本人とジュリア・ロバーツはとても似たエネルギーを持っていると感じたとのこと。
なお、エリン本人は、映画内にウェイトレス役でほんの少しだけ登場しますので、ぜひチェックしてみてください!
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