ビジネスパーソンの中には、経営やマネジメントのために英語を使う必要がある人も多いでしょう。
「事業やプロジェクトの説明などで使える英語表現を学びたい」
そんな人たちにおすすめできる映画が、今回紹介する『小さな命が呼ぶとき』です。
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『小さな命が呼ぶとき』は、難病を患う二人の子供を救うために、エリートビジネスマンのキャリアを捨て、製薬会社を起業するジョン・クラウリ―(ブレンダン・フレイザー)が主人公。
偏屈な科学者ロバート・ストーンヒルことボブ(ハリソン・フォード)とともに、時には仲違いをしながら、創薬に取り組むストーリー。
ハリソン・フォードは、俳優としての出演だけでなく、制作総指揮としても関わっています。
こんな人におすすめ!
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『小さな命が呼ぶとき』はどんな映画?【あらすじ等】
映画情報
- 原 題 : Extraordinary Measures
- 公 開 年 : 2010年
- 主 演 : ブレンダン・フレイザー、ハリソン・フォード
- 監 督 : トム・ヴォーン
ポンペ病に侵され、9歳までしか生きられないと宣告された子供たちを救うため、主人公ジョン(ブレンダン・フレイザー)は人生を賭けて治療薬の開発に挑みます。
ジョンは優秀な科学者ボブ(ハリソン・フォード)のことを知り、協力して創薬に励むものの、ビジネスマンと科学者という異なる経歴の2人は、衝突もしばしば。
果たして、2人は治療薬を作り出すことができるのか‥。
映画『小さな命が呼ぶとき』の中で話される英語の特徴は?
起業や会社経営に関する英語表現をたくさん学べます。
その一方で、ほっとする家族のシーンもあり、カジュアルな雰囲気のセリフにも接することができます。
仕事の場面では、プレゼンテーション(説明)、説得、提案、交渉、研究といったシーンが描かれ、そこで必要な英語表現を学ぶことができます。
場面や用語について
オフィスや研究所、家庭や病院といった場面を中心に、物語が展開されます。
ビジネスシーンばかりに偏ることもなく、カジュアルなシーンもちょうどよいバランスで含まれています。
医療や製薬に関しては専門用語も出てきますが、そこまで難解ということもなく、ストーリーが分からなくなる心配はありません。
登場人物が話す英語について
どの登場人物も、標準的なアメリカ英語を話し、特に聞き取りにくい発音などはありません。
スラングもあまり出てこないので、英語教材としてとても適しています。
製薬事業ではジョンとボブを中心に、会社関係者によるセリフを通じて、ビジネス英語に多数触れることができます。
また、妻や子供たち、医療関係者や家族会の人たちも登場し、日常的な英会話も学ぶことができます。
*ビジネス英語を学べる映画全般は、以下の記事を参考にどうぞ。
私(ホズ)が、徹底的にこだわっているビジネス英語勉強法 ー それは映画を使った英語学習です。 そのおすすめ理由は記事「映画を使った英語学習をおすすめする3つの決定的理由【TOEIC950の実績あり】」で説明した通り。 そこで今回[…]
映画『小さな命が呼ぶとき』で学べる英語表現
※著作権違反とならないように、一部表現を変更している箇所(固有名詞を代名詞に変更する等)があります。
※()内は劇中でそのセリフが出てくる目安の時刻です。
※英語音声には音読さんを利用しています。
この薬を市場に出すのが私の仕事だ。
冒頭、ジョンが勤める会社での会話。
ここでは「market」を動詞で使っていて、「売り込む、市場に出す」という意味です。
人々が私の研究を引用するのはそれが理由だ。
自分の研究について、ジョンに説明するボブ。
「cite」は「引用する」という意味で、TOEICの試験問題でもよく出る単語の一つです。
私の助成金の半分は承認してもらえない。
資金不足で研究が十分できないことを嘆くボブのセリフ。
「grant」は「助成金、補助金」という意味で、これもTOEICの試験問題でよく出る単語の一つです。
私が事業計画を作り上げます。
研究者であるボブはビジネス経験がないため、ジョンはこのように申し出ます。ビジネスマンらしい表現ですね。
何かプランを作ろうとする時には、「make up a plan」という表現を使ってみるのがおすすめです。
我々は現実の戦略の概要を書く必要がある。
ジョンはこのように言って、重要なプレゼンの準備をしようとします。
これも、ビジネスシーンらしい表現ですね。
「rough out」は「概略を書く」という意味で、新しい事業やプロジェクトを始める時に必要なアクションと言えます。
ご存知の通り、市場の潜在性は巨大です。
自分たちの事業に投資してもらうためのプレゼンで、市場の有望性を説明するジョン。
「enormous」は「巨大な、膨大な、莫大な」という意味があります。
まだ収益性について聞く必要がある。
ジョンとボブが重要なプレゼンをする場面では、このように収益性についても聞かれます。
「profitability」は「収益性、採算性」という意味で、ビジネスでは非常に重要な話題の一つです。
それは当社で確立された手続きではない。
大企業に役員として迎えられ、早速自分のアイデアを説明するジョン。しかし、このように諭されてしまいます。
「procedure」は「手順、手続き」という意味で、やはり大きな組織になるほど必要になるものですが、それがジョンやボブを悩ませることになるのです。
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『小さな命が呼ぶとき』で気になることを質問!【ホズが答える】
個人的に注目してほしいのは、優秀なビジネスマンであり、3人の子供の父親でもあるジョンが、どのように決断し、行動を起こすのかという点です。
会社を私的に利用していると言えなくもないジョンの行動は、時に非難も受けるのですが、その行動力は特筆すべきものがあります。
その行動力の裏にあるのは、「愛する子供を救いたい」という強い想い。
単に頭脳明晰なだけでなく、強い想いや情熱こそが困難を乗り越え、成功につながるのだと教えてくれます。
それほど堅すぎることもなく、また重苦しい雰囲気一辺倒ということもないので、映画として十分楽しめます。
昨今、注目を集めている製薬・創薬を扱っていることもあり、私はとても興味深く見ることができました。
製薬・創薬には地道な研究が不可欠で、大変な時間と費用もかかるということがあらためて分かります。
ほのぼのとした家族との場面も多く、よいバランスが取れています。
映画『小さな命が呼ぶとき』のここにも注目!
『ハンナプトラ』と『インディ・ジョーンズ』の競演!?
ブレンダン・フレイザーは「ハムナプトラ」、ハリソン・フォードは「インディ・ジョーンズ」と、それぞれ有名シリーズで主演を務めています。
どちらもタフな役柄で冒険活劇を繰り広げるシリーズですが、本作品では打って変わって(?)、現代社会におけるビジネスマンと科学者を演じます。
そんなギャップを感じさせない2人の演技に注目です。
なお、ハリソン・フォードは原作に惚れ込み、自ら製作総指揮も務めています。
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