「経営者として使う英語表現を学びたい」
「経営層、役員と話す際の英語表現を学びたい」
そんな人たちにおすすめできる映画が、今回紹介する『フォードvsフェラーリ』です。
カーデザイナーのキャロル・シェルビー( マット・デイモン)と、イギリス人レーサーのケン・マイルズ( クリスチャン・ベール)の2人を軸に描く、実話をもとにしたこの作品。
上層部からの理不尽とも思える指示を受けながら、ル・マン24時間レースでの勝利を目指す熱い物語です。
こんな人におすすめ!
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『フォードvsフェラーリ』はどんな映画?【あらすじ等】
映画情報
- 原 題 : Ford v Ferrari
- 公 開 年 : 2019年
- 主 演 : マット・デイモン、クリスチャン・ベール
- 監 督 : ジェームズ・マンゴールド
舞台は1960年代。
アメリカの巨大自動車メーカーであるフォード社はさらなる発展を目指し、ル・マン24時間耐久レースへの参戦を模索。
元レーサーで今はカーデザイナーのシェルビーと( マット・デイモン)、イギリス人レーサーのケン・マイルズ( クリスチャン・ベール)はフォード傘下のチームとして王者フェラーリに挑みます。
しかし、シェルビーやケンの熱い想いとは裏腹に、フォード経営層からは度重なる横やりが入り…
果たして、シェルビーとケンはル・マンで勝利を収めることができるのか!?
映画『フォードvsフェラーリ』の中で話される英語の特徴は?
フォード社傘下のもと、シェルビーとケンが、ル・マンでの勝利を目指して奮闘する姿を描く本作品。
フォードという大企業で上層部との軋轢も描きながら、さまざまな英語表現に触れることができます。
場面や用語について
ビジネス英語を学べる場面として、特に経営層と現場の間のコミュニケーションを学べるのが本作品の特長。
オフィス、整備工場、レース会場、家庭内と、さまざまな場面で英語表現に接することができます。
登場人物が話す英語について
アメリカ本土からヨーロッパを舞台に展開する本作品。
標準的なアメリカ英語以外に、イギリス英語にも触れることができます。
主人公一家は、イギリス出身という設定。
ケン・マイルズ役のクリスチャン・ベールと息子ピーター役のノア・ジュープも実際にイギリス出身ですし、その妻モリ―役のカトリーナ・バルフはアイルランド出身!まさに適役ですね。
特に妻のモリーの発音は明らかに普通のアメリカ英語とは異なりますが、決して聞き取りにくいということはありません。
あと、少しだけイタリア訛りの英語も出てきます。
*ビジネス英語を学べる映画全般は、以下の記事を参考にどうぞ。
私(ホズ)が、徹底的にこだわっているビジネス英語勉強法 ー それは映画を使った英語学習です。 そのおすすめ理由は記事「映画を使った英語学習をおすすめする3つの決定的理由【TOEIC950の実績あり】」で説明した通り。 そこで今回[…]
映画『フォードvsフェラーリ』で学べる英語表現
※著作権違反とならないように、一部表現を変更している箇所(固有名詞を代名詞に変更する等)があります。
※()内は劇中でそのセリフが出てくる目安の時刻です。
※英語音声には音読さんを使用しています。
どうしたのですか。
ケンと大会担当者が口論しているのを見かねて、シェルビーはこのように声をかけます。
「What’s the problem?」という言い方だと、確実に問題があると分かっているニュアンスになります。
まだ事情がはっきり分かっていない場合には、この「What seems to be the problem?」を使ってみましょう。
なお、医者が診察する際、「いかがされましたか?」という意味の決まり文句としても使われます。
当社の考え方が間違っていたからです。
フォード副社長のアイアコッカが、ヘンリー・フォード2世らの経営陣を前にプレゼンデーションを行う際に一コマ。
近年、自動車販売実績が低迷している理由を聞かれ、アイアコッカはこのように答えます。
考え方やマインドセットを変えるように促したい時に、使える表現です。
この件は何年もかかるだろう。
アイアコッカの「フォード社はレースに参戦すべき」との提案を受けて、上級副社長のレオはこのように答えます。
「もしレースに参戦するとしたら」という仮定の話なので、「would」を使っている訳ですね。
「何年もかかる」と言いたい時は「take years」が使えます。
この件を保証するために、フォード社は合計金額を支払います。
フォード社とフェラーリ社との合併交渉において、相手に条件を説明するアイアコッカ。
「secure」は「保証する、確保する」という意味で、ビジネスでよく使われる表現です。
いくつかの計画決定について、あなたの考えを聞きたかったのです。
シャルビーの考えを聞くために、このように話すレオ。
相手の意見を聞いたい時に使える表現ですね。
では、この件について我々に同意しないということですか。
シャルビーとの会話の中で、レオはこのように言って確認します。
「agree with A on B 」で、「Bの点についてA(人)」に同意する」という意味になります。
マーケティングの懸念があり、それは無理だ。
これもレオとシャルビーの会話の一コマ。
このように、何かの懸念があって無理だという時に、この表現を使ってみましょう。
十分に合理的だと思えます。
テスト走行を続けるシェルビーたちのところを、突然訪れたヘンリー・フォード2世たち。
「大金を出しているんだから、状況を把握する必要があると」と言われ、シェルビーはこのように言います。
「ごもっともです」というニュアンスですね。
相手の言うことに納得感がある時に使ってみましょう。
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『フォードvsフェラーリ』で気になることを質問!【ホズが答える】
全く問題ありません。
私はそれほど自動車やレースが好きという訳ではありませんが、最後まで夢中になって視聴しました。
レースのシーンが適度に挟まれ、多すぎるということはありません。
企業は市場で競争にさらされるのが常。この作品もライバル企業との競争を描いていると考えるとよいのではないでしょうか。
経営者のセリフがリアルに感じられて、使える英語表現をどんどん吸収できると思いますよ。
映画『フォードvsフェラーリ』のここにも注目!
実在の人物がモデル【史実との違いもあり⁉】
実話をもとに脚色したこの作品。
実在の人物について知ると、より作品への関心が高まると思います!
ケン・マイルズ【孤高のレーシングドライバー】
主人公のケン・マイルズは、英国陸軍の所属として第二次大戦に参戦した経験があり、1944年には有名なノルマンディー上陸作戦に戦車も参加しています。
除隊後はアメリカに渡り、映画で描かれるように整備工として働きつつ、自動車の草レース等に参加していたそうです。
2001年にアメリカモータースポーツ殿堂入りを果たしています。
本作品でのクリスチャン・ベールの熱演もあり、「実際にこういう人物だったのかな」と感じることができます。
リー・アイアコッカ【アメリカ産業界の英雄とも称される経営者】
リー・アイアコッカは、本作品で描かれる副社長時代を経て、1970年にはフォード社長に就任。同社の立て直しに成功します。
その後、ヘンリー・フォード2世との折り合いが悪くなりフォードを去ると、1978年にはクライスラー社長、さらに会長に就任。
ここでもクライスラー社を経営危機から立ち直らせることに成功。これにより、アイアコッカは「アメリカ産業界の英雄」とまで呼ばれるようになりました。
そんな大物経営者の若き日の姿を本作品では目にすることができます!
俳優陣のプロフィール【意外な映画作品での競演や出演も⁉】
ケン・マイルズ役のクリスチャン・ベールと、ヘンリー・フォード2世役のトレイシー・レッツ、実は『マネー・ショート』で共演しています。
変人とみなされるマイケル・バーリ役と、時に傲慢な態度をとるローレンス・フィールズ役として、それぞれお互いを理解できないまま袂を分かつ姿が描かれます。
あと、ケンの妻はを演じたカトリーナ・バルフは、『プラダを着た悪魔』に名もない役で出演していたとのこと。どこの場面で出演しているかチェックしてみるのも面白いかも。
ケンの息子ピーター役のノア・ジュープは、別作品(『サバービコン 仮面を被った街』)では、シェルビー役のマット・デイモンの息子役を演じたこともあるのも興味深いですね。
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