『マネーボール』はメジャーリーグの実話をもとに映画化した作品。
己の信念にかけ、不屈の闘志で逆境に挑む男を、ブラッド・ピットが熱演します。
「ビジネス英語を学べる最新おすすめ映画13選【TOEIC950達成者が徹底レビュー!】」の記事でも紹介した同作品。私も10回以上見ているので、映画の内容はセリフ含めて、すっかり頭の中に入っています。(笑)
こんな人におすすめ!
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『マネーボール』はどんな映画?【あらすじ等】
では、まず基本的な情報を押さえておきましょう。
映画情報
- 原 題: Moneyball
- 公開年: 2011年
- 主 演: ブラッド・ピット
- 監 督: ベネット・ミラー
弱小球団のGM・ビリー(ブラッド・ピット)は、豊富な資金を持つ球団に有力選手3人を引き抜かれ、苦境に陥ってしまいます。
この穴を埋めるべく奔走するビリーですが、オーナーから追加予算は得られず。そこで、統計学に基づいたマネーボール理論にかけることを決心するのです。
しかしながら、球界では異端ともみなされるマネーボール理論は周囲に理解されません。味方であるはずのチームの監督にさえも無視される状況が続き、チームの成績はどん底に…。
ビリーはこの苦境をどう乗り越え、ビッグチームに戦いを挑んでいくのか。
舞台は球団の裏側がメイン。GMとして戦略を立て、果敢に実行に移す、その姿をぜひチェックしてください!
『マネーボール』の中で話される英語の特徴は?
意外にスラングや早口でしゃべるシーンは少なめで、全体的に聞き取りやすい英語です。
野球の場面だけでなく、会議室で戦略を練る場面や交渉・相談をするシーンが何度も登場し、ビジネスで使える英語表現が多数出てきます。
電話で話すシーンも頻繁にあり、ラジオやテレビの実況中継、家族との日常会話など、さまざまな場面の英語に触れることができる作品です。
場面や用語について
野球の試合シーンもありますが、どちらかというと球団の裏側がメインで描かれます。
日本ではあまり馴染みのないGMというポジションですが、その職務は多岐にわたります。
チームの方針・戦略の立案、予算の確保、他球団との交渉、監督や選手とのコミュニケーションなどなど…
これらに必要な表現が出てくるので、通常のビジネスでも使える英語表現が多数学べるわけです。
会議や電話の場面が何度も出てくるのもおすすめできるポイント。
野球用語も当然出てきますが、特に詳しく知らなくても問題ありません。
登場人物が話す英語について
基本的に、登場人物全員が標準的なアメリカ英語。クセのある発音は出てきません。
主人公のGM以外にも、球団オーナー、スカウト陣、監督・選手、他球団GMと、多くの登場人物とコミュニケーションをとる場面があります。
その他、家族との日常会話や試合実況等の英語にも触れることができます。
*マネジメントに関する英語を学ぶには以下の作品もおすすめです!
ビジネスパーソンの中には、経営やマネジメントのために英語を使う必要がある人も多いでしょう。 「事業やプロジェクトの説明などで使える英語表現を学びたい」 そんな人たちにおすすめできる映画が、今回紹介する『小さな命が呼ぶとき』です。[…]
『マネーボール』で学べる英語表現
※著作権違反とならないように、一部表現を変更している箇所(固有名詞を代名詞に変更する等)があります。
※()内は劇中でそのセリフが出てくる目安の時刻です。
※この動画の音声は音読さんを使用しています。
我々は制約内で仕事をするんだ。
追加予算を求めるビリーに対する、球団オーナーの返答セリフ。つまり「No」ということですね。
「constraint」は「制約」という意味。
ビジネスでは「budget constrain」(予算の制約)を始め、さまざまな制約条件の中で業務を遂行し、目標達成を目指さなければなりません。
これでは通常のやり方だ。
通常の戦い方では、豊富な資金力を誇る球団には勝てるはずがない、と主張するビリー。
「business as usual」は「通常のこと」という意味で、私の会社では「通常の業務」を指すのに使われています。
なお、仕事だけでなく、日常のことを指すにも使えます。
私たちは問題を解決しようとしている。
球団スカウトたちはビリーに、自分たちなりに問題解決に取り組んでいると言います。
まさに、ビジネスでそのまま使える表現なので、このまま覚えてしまいましょう。
これが我々のビジネスのやり方だ。
他球団GMとの交渉で、なかなか思い通りの回答をもらえないビリー。
相手GMは、のらりくらりとこんなセリフを言います。
「This is the way ~」で、「これが~のやり方(方法)だ」と伝えることができます。
このことをはっきりさせてください。
私がその責任をとる。
自分の方針がチームに浸透しない状況に、ビリーは「That was my mistake.」(自分のミスだった)と言い、さらのこのセリフを続けます。
何か問題が起きた時など、その責任が自分にあることを示す表現です。
彼は新しい手法を考え出そうとしている。
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『マネーボール』で気になることを質問!【ホズが答える】
野球に詳しくなくても、全く問題ありません。
さまざま制約がある中で、いかに競争に勝ち抜いていくかという、ビジネスに通じる興味深いストーリーが展開されます。
周囲を巻き込んで徐々にチーム(組織)が変わり始め、一体感とともに全てが好転していく様子に、高揚感を覚えることでしょう。
何より、電話や会議のシーンも多いので、ビジネスで使える英語表現が学べます。
どちらかというと、球団の裏側のシーンが主ですが、春季キャンプでの練習や試合のシーンも出てきます。
シーズン開幕のセレモニー等の雰囲気もまさにメジャーリーグという感じ。
特に、快進撃が続く様子や、クライマックスの試合は、実際にスタジアムで観戦しているような感覚になれますよ!
『マネーボール』のここにも注目!
華々しいメジャーリーグの裏側を知ることができる
トレードのための虚々実々の駆け引き、いきなり他球団へ放出あるいはマイナー落ちを告げられる選手たち…
大金を稼ぐスター選手の華々しい活躍する一方、そんな厳しい世界でもあります。
主人公ビリーがGMを務めるオークランド・アスレチックスは、資金に乏しいチーム。
その対となるチームが、松井秀喜選手も所属していた名門ニューヨーク・ヤンキースで、潤沢な資金をもつ球団の象徴のように扱われています。
現役時代のイチロー選手も、モニター越しに少しだけ出てくる場面がありますので、ぜひチェックしてみてください。
原作者のマイケル・ルイスは『マネー・ショート』の原作も執筆
マイケル・ルイスはノンフィクション作家で、金融ジャーナリストの肩書を持ちます。
本映画の原作「マネー・ボール」(2003年)はベストセラーとなりましたが、元投資銀行に勤務した経験を活かし、「世紀の空売り」(2010年)も執筆。
それを原作に映画化したのが『マネー・ショート』です。
原作者が同じということもあり、『マネーボール』を気に入った人はぜひ『マネー・ショート』もチェックしてみてください!
組織が変わっていくには時間がかかる【粘り強さとコミュニケーションの大切さ】
これまでの野球の常識に反するとも感じられるマネーボール理論。
案の定、監督やコーチ、スカウト陣に理解されず、時には強い反発にも遭うのですが、チームの成績が低迷し続けても、ビリーは信念を曲げず、貫き通します。
どうしても聞き入れようとしない監督の態度に、とんでもない荒療治をしかけることも。
本当に組織を変えようと思ったら、中途半端は避け、徹底してやり切ることの大切さを教えてくれます。
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