コロナ禍で現在は控える傾向があるとはいえ、本来ビジネスパーソンの中には頻繁に出張に行くという人も多いでしょう。
「出張でよく使いそうな英語表現を学びたいのだけど」
「空港で必要になる英語表現、どのようなものがあるのかな?」
そんな人たちにおすすめできる映画が、今回紹介する『ターミナル』です。
『ターミナル』は、空港内に留め置かれてそのまま暮らすことになってしまった、ビクター(トム・ハンクス)が主人公。
当初、全く英語ができなかったビクターですが、徐々に英語を取得し、周囲とのコミュニケーションができるようになっていきます。
こんな人におすすめ!
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『ターミナル』はどんな映画?【あらすじ等】
映画情報
- 原 題 : スティーヴン・スピルバーグ
- 公 開 年 : 2004年
- 主 演 : トム・ハンクス
- 監 督 : スティーヴン・スピルバーグ
東欧の国クラコウジアから、アメリカのジョン・F・ケネディ国際空港に降り立った、ビクター・ナボルスキー(トム・ハンクス)。
母国を出発してから同空港に着くまでに、なんとクラコウジア政府はクーデーターにより消滅。彼が持つパスポートも無効となり、アメリカに入国できない状態に。
かといって、母国に帰ることもできず、同空港内のロビーに留め置かれることになってしまいます。
さまざまな人と関りをもちながら、ロビーという限られた空間で希望を捨てずに日々を送るビクターの目的は何なのか?
映画『ターミナル』の中で話される英語の特徴は?
さまざまな英語に触れられるのが、この作品の大きな特長です。
発音、イントネーションとも独特な英語を話す人物が何人も登場し、現実社会の縮図のようにも感じられます。
場面や用語について
ほとんどの場面が空港内という、とてもユニークなこの作品。
(少しだけ、空港外のシーンもあり)
出入国の手続きなど、空港でのやり取りに使われる表現が頻出。
書類や手続きといった堅めの表現が多いので、ビジネス英語としても活用することができます。
登場人物が話す英語について
多種多様な発音やイントネーションの英語を話す人物が登場。
主人公ビクターは東欧訛りの英語を話し、空港での友人たちはかなり強いインド訛り、ややヒスパニック訛りの英語を話します。
特に主人公は当初全く英語ができず、「I stay.」や「I go to New York.」といったカタコトから、徐々に英語力をつけていきます。
一方で、空港関係者は完全にネイティブなので、標準的な英語もしっかり学ぶことができます。
全体を通して、スラングは少なめなのも英語教材に適しています。
*ビジネス英語を学べる映画全般は、以下の記事を参考にどうぞ。
私(ホズ)が、徹底的にこだわっているビジネス英語勉強法 ー それは映画を使った英語学習です。 そのおすすめ理由は記事「映画を使った英語学習をおすすめする3つの決定的理由【TOEIC950の実績あり】」で説明した通り。 そこで今回[…]
映画『ターミナル』で学べる英語表現
※著作権違反とならないように、一部表現を変更している箇所(固有名詞を代名詞に変更する等)があります。
※()内は劇中でそのセリフが出てくる目安の時刻です。
用紙を記入してください。
冒頭、空港で聞こえるのがこのアナウンス。
ここでは「fill out ~」で、「~に記入する、書き込む」という意味で、手続きの際にとてもよく使います。
似た表現に「fill in ~」があります。微妙な違いはあるようですが、どちらもほぼ同じ意味で使えます。
訪問の目的は何ですか? 仕事ですか、観光ですか?
入国審査のシーンで、何度も出てくるこの表現。
もうこのまま丸ごと覚えてしまいましょう!
アメリカにはどれくらいの期間、滞在する予定ですか?
これも入国審査で決まって聞かれる質問。このまま覚えてしまいましょう。
「will be staying」だと、これから「滞在する」未来を客観的に想像している感じになります。
帰りのチケットを拝見できますか?
これも空港でのやり取りで、よく聴くセリフですね。
このように、映画『ターミナル』では空港で使う英語表現のオンパレード。視聴しながら、覚えてしまいましょう。
これは単なる標準的な手続きです。
空港の係官は、ビクターにこのように言います。
つまり、「色々質問などしているのは、通常の手続きであり、特別なことではない」と言って、不審に思われないようにしている訳です。
ビジネスでも相手に配慮した表現として使えそうですよね。
「procedure」は、「手順、手続き」という意味です。
あなのビザはもはや有効ではありません。
ビクターは空港の係官にこのように言われてしまいます。
「no longer~」は「もはや~ではない」という意味。「valid」は「有効な」という意味で、ビジネスでもよく使われます。
新しい書類は処理できません。
「process」は日常でも名詞の「工程、過程、手順、処理、手順」という意味でよく使われますが、このように動詞「処理する」としても使うことができます。
書類の手続き等について使う時など、便利な表現です。
あなたが入ることは許可できません。
このように、ビクターはアメリカへの入国を拒まれてしまいます。
「allow 〇〇 to ~」で「〇〇に~することを許可する」という意味で、許可する行為について述べる時によく使います。
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『ターミナル』で気になることを質問!【ホズが答える】
正確な発音や文法でなくても、コミュニケーションをとり、目的を果たしていくことの大切さが学べるところです。
主人公ビクターが話す英語は、発音や文法が必ずしも正確ではありません。それでも、中盤からは英語ネイティブの人たちとも、しっかり会話ができるようになっていきます。
つまり、100%正確でなくても、通じる英語のレベルがどれくらいかを、映画を通して体感できるのです。
さらに、さまざまな英語に触れることができる点や、何より主人公が少しずつ英語を学んでいく姿勢にも共感できると思いますよ!
確かに、本作品ではお国柄(?)の出た、訛りの強い英語が印象に残りますが、やはりネイティブの登場人物の方が多いので、そこから本来の英語の発音を学ぶことができます。
特に、空港関係者は堅めの英語を話すことが多く、ビジネス英語にも応用できる表現に触れることができます。
ついては、
- 正しい英語の発音(および文法)は英語ネイティブのセリフから学ぶ
- コミュニケーションの姿勢は、非ネイティブの登場人物から学ぶ
とするのがよいでしょう。
映画『ターミナル』のここにも注目!
クラコウジアは架空の国? モデルになった人物は?
ビクターの母国、クラコウジア共和国は実際には存在しない架空の国。
一応、東欧の国という設定で、言語もロシア語圏のものに近いようです。実際、劇中に出てくるロシア人と会話をする場面があります。
なお、本作品は、実際にフランスのシャルル・ド・ゴール空港に住み続けたイラン人、マーハン・カリミ・ナセリがモデルになっているとのこと。
調べてみると、実際に空港に居住した人はほかにも何人もいるみたいで、ちょっと驚きです。
なんと空港セットを全て映画用に作成!?
JFK国際空港が舞台となっている本作品。
全く違和感がありませんが、実は本物の空港ではなく、映画の撮影用に作ったセット(!)だそうです。
本物の空港は防犯上の理由から撮影許可がおりず、やむを得ずセットを作り上げて撮影したとのこと。
さすがアメリカ、ハリウッドはスケールが違う…!
それほどの製作費をかけても、興行として成功し、大幅な黒字になっているのですから大したものです。
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