「営業で使える英語表現を学びたい」
「就職や転職の面接で必要になる英語表現を学びたい」
そんな人たちにおすすめできる映画が、今回紹介する『幸せのちから』です。
また、厳しい境遇にあっても、希望を捨てずに努力することの大切さを教えてくれる作品でもあります。
『幸せのちから』は、事業の失敗でホームレス同然の生活に陥りながらも、株式仲買人として懸命に這い上がろうとするクリス・ガートナー(ウィル・スミス)の物語。
親子の絆も描かれる感動作で、ウィル・スミスとジェイデン・スミスが親子共演を果たしたことでも話題を呼びました。
こんな人におすすめ!
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『幸せのちから』はどんな映画?【あらすじ等】
映画情報
- 原 題 : The Pursuit of Happyness
- 公 開 年 : 2006年
- 主 演 : ウィル・スミス
- 監 督 : ガブリエレ・ムッチーノ
舞台は1981年のアメリカ・サンフランシスコ。
画期的だと信じた医療機器を大量に仕入れたクリス・ガートナー(ウィル・スミス)。
しかし、思うように売れず、家賃も滞納する始末。ついには、妻のリンダも愛想を尽かし、家を出て行ってしまいます。
5歳の息子クリストファー(ジェイデン・スミス)と二人の生活を始めたものの、苦しい生活は変わらず。とうとう安モーテルからも追い出され、ホームレス生活を余儀なくされてしまうことに。
クリスは事態の打開を図るため、証券会社のインターンプログラムに参加し、必死の努力を続けます。しかし、研修の半年間は無給で、正社員として採用される保証もなし。
果たして、親子に希望の日は訪れるのか…?
映画『幸せのちから』の中で話される英語の特徴は?
主人公クリスが、医療機器の販売、そして株式仲買人として営業活動を行う姿が描かれる本作品。
富裕層から貧困層までさまざまな人物が登場し、現実社会の縮図のようにも感じられます。
場面や用語について
ビジネス英語を学べる場面として、クリスが医療機器の営業を行う病院内、さらに証券会社の研修生として働くオフィスや営業先が挙げられます。
それらの場面では、営業活動における挨拶やお礼、人間関係作りに必要な英語表現を学ぶことが可能。
特にオフィスでは一日中、営業電話をかけ続けるシーンが描かれているので、電話応対で使える英語フレーズを覚えるのにとても役立ちます。
あと、オフィスで面接をするシーン(少し特殊な状況ですが)もあります。
その他、アパートやモーテル、教会での宿泊の場面では、息子クリストファーとの日常会話に触れることもできます。
登場人物が話す英語について
一流のビジネスパーソンから貧困層まで、さまざまな人物が登場する本作品。全員、標準的なアメリカ英語を話します。
訛りの強い英語やスラングはほとんど出てきません。
また、5歳という設定の息子クリストファー(演じるジェイデン・スミス、実際は8歳だったそうです)は子供らしさもある一方、結構しっかりしているので、そのセリフからも日常使える英語表現を学べます。
*ビジネス英語を学べる映画全般は、以下の記事を参考にどうぞ。
私(ホズ)が、徹底的にこだわっているビジネス英語勉強法 ー それは映画を使った英語学習です。 そのおすすめ理由は記事「映画を使った英語学習をおすすめする3つの決定的理由【TOEIC950の実績あり】」で説明した通り。 そこで今回[…]
映画『幸せのちから』で学べる英語表現
※著作権違反とならないように、一部表現を変更している箇所(固有名詞を代名詞に変更する等)があります。
※()内は劇中でそのセリフが出てくる目安の時刻です。
※英語音声には音読さんを使用しています。
ご一緒に検討する機会をいただき、ありがとうございます。
医療機器の営業先で、分かり際にクリスが言うセリフ。
仕事、特に営業などでとても役に立つ表現です。
もう2ヶ月も遅れているのよ。
家賃の支払いに窮して、妻のリンダがクリスに詰め寄るシーン。
「~ months behind」は「~ヶ月遅れている」という意味で、スケジュールの遅れを表現できます。
当社のインターンシップへの申込書があるか確認させてください。
インターンシップへの参加を希望するクリスに、担当者は机の上の書類を探しながらこのように言います。
「let me see if ~」で「~かどうか確認させてください」という意味です。
恐れ入りますが、当社があなたにできることはそれだけです。
前のセリフに続き、担当者はクリスにこのように言います。
「that’s all we can do」は「それは私たちができることの全て」、つまり「私たちができることはそれだけ」という意味になります。
できることの限度を説明する時に使える英語表現です。
一ヶ月くらい前に、インターンプログラムへの申込書を提出したのです。
何としてもインターンプログラムに参加したいクリスは、このように言って人事担当に近づきます。
「submit an application for~」で「~への申込書(申請書)を提出する」という意味になります。
またすぐにお会いしましょう。
人事担当者に自分のことを印象付けることに成功したクリス。別れ際に出たのがこのひと言。
誰かと別れる時に、さっとこのひと言を言ってみましょう。
別のシーンでは、「We’ll see you soon.」という表現も出てきます。
彼女が詳細を全て話してくれます。
インターンシップの件で、人事担当者はクリスにアシスタントの連絡先を告げ、このように言います。
「specifics」はこの場合「詳細」の意味で、ビジネスの場面でとてもよく使われます。
また、IT開発などでは「仕様(書)」の意味で使われることもあります。
明朝9時30分に確認します。
駐車違反の罰金を払わなかったため、とうとう警察署に連行、収監されてしまったクリス。
やむなく支払いのために書類にサインをしますが、警察官からこのように言われてしまいます。
「verify」は「それが正しい(適切である)ことを確認する」という意味。
私もIT開発でのテストフェーズでとてもよく使っています。
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『幸せのちから』で気になることを質問!【ホズが答える】
全く問題ありません。
私は何度もこの作品を見ていますが、英語表現が古いとは全く感じませんでした。
「今の時代、こんな言葉は使わないよ…」と感じるところは全くありません。
もちろん、スマホやインターネットもない時代ですが、ビジネスや日常生活で交わされる基本的な会話は変わらないので、安心して英語教材として活用できますよ。
映画『幸せのちから』のここにも注目!
主人公クリス・ガートナーは実在の人物【映画との違いも?】
映画の主人公クリス・ガートナーは実在の人物で、現在は実業家としての活動に加えて、慈善事業や講演活動も行っています。
映画内でも語られている通り、実の父親は早くに家庭を去り、貧しく困難な幼少期を過ごしました。
証券会社の研修生時代には一日200本の電話をかける等、猛烈に働き、見事正社員の座を手に入れたのですが、その後もしばらく息子とホームレス生活を送っていたとのこと。
1987年に独立して証券会社Gardner Rich & Co社を立ち上げ、現在はアメリカを代表するほどの大企業に成長。
人生の成功者とも評されるクリス・ガートナーは、映画の撮影に何度も立ち会っており、それは「過去のつらい記憶を思い出す旅でもあった」と語っています。
なお、クリス・ガートナー本人は映画のラストに、ほんの少しだけ登場しますのでチェックしてみてください!
ウィル・スミスとジェイデン・スミス【実の親子の共演】
本作品では、何と言ってもウィルとジェイデン、スミス親子の競演が話題になりました。
ジェイデンは自ら出演を希望し、オーディションを受けたそうです。
映画内では、息子のクリストファーは5歳の設定ですが、撮影当時ジェイデンは8歳。
とてもデビュー作とは思えない、自然で素晴らしい演技を見せてくれます。
そんなジェイデンも、大切な人形を落としてしまって泣くシーンではうまく演じることができなかったとのこと。
そのことをウィルは、
「裕福な家庭で育ったため、大切なおもちゃを無くした時の悲しみが分からなかったようだ」
とコメントしています。
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