デヴィッド・フィンチャー監督の傑作、「ソーシャル・ネットワーク」。
新サービスの起業と並行してストーリーが進行するので、ビジネス英語もしっかり学べます。
そして、何と言っても注目すべきは、フェイスブックの開発や運営の場面を通じて、IT関連の英語表現も学習することができるのです。
実際にウェブ業務に関わっている私からみても参考になる表現が多く、とても勉強になります。
こんな人におすすめ!
|
『ソーシャル・ネットワーク』はどんな映画?【あらすじ等】
では、まず基本的な情報を押さえておきましょう。
映画情報
- 原 題: The Social Network
- 公開年: 2010年
- 主 演: ジェシー・アイゼンバーグ
- 監 督: デヴィッド・フィンチャー
フェイスブックの創始者、マーク・ザッカーバーグ(ジェシー・アイゼンバーグ)が主人公。
ハーバード大学在籍時に、マークがどのように新しいソーシャル・ネットワーク・サービスを作り上げていったのかが描かれます。
急速にサービスが拡大していくにつれ、近寄ってくる怪しい人物、親友との軋轢、複数の訴訟と、さまざまな出来事が起きてる中、マークはどこへ向かうのかーーー
マークの強烈な個性がそれら全てをエネルギーに変え、巨大ソーシャル・ネットワーク誕生へとつながっていく、その過程をぜひチェックしてください。
映画としての評価も高く、ストーリーを楽しみながらビジネス英語を学べますよ。
『ソーシャル・ネットワーク』の中で話される英語の特徴は?
全体的に会話のスピードは速め。
場面によっては専門的な表現も出てきます。ただ、難解すぎるということはありませんのでご安心を。
プログラミング等のIT用語、法律用語に加えて、学生同士のカジュアルな会話やビジネス会話にも触れることができます。
場面や用語について
サーバーやネットワーク、プログラミングといったIT関連のシーン(ハッキングも!)に加え、大学者関係者や弁護士に尋問されるシーン、キャンパスや寮での日常会話、ベンチャー企業内など、さまざまな場面が出てきます。
ITや訴訟に関する用語も出てきますが、それほど難解ではありません。
余談ですが、ハッキングのシーンでかなり詳細に手法を説明していて、IT経験の長い私でも一部分からないところがありました。まあ、「マークは素晴らしいスキルを持っている」ということが分かれば大丈夫です。
登場人物が話す英語について
登場人物は、マークたち大学生以外に、大学や法律事務所の関係者、投資家、起業家など、さまざま。
若者たちのカジュアルな会話から堅めの会話まで、幅広く英語を学べる点もおすすめできる理由です。
*ビジネス英語を学べる映画全般は、以下の記事を参考にどうぞ。
私(ホズ)が、徹底的にこだわっているビジネス英語勉強法 ー それは映画を使った英語学習です。 そのおすすめ理由は記事「映画を使った英語学習をおすすめする3つの決定的理由【TOEIC950の実績あり】」で説明した通り。 そこで今回[…]
『ソーシャル・ネットワーク』で学べる英語表現
では、劇中で使われている中から、すぐに使えそうな英語表現をいくつか紹介します。
※著作権違反とならないように、一部表現を変更している箇所(固有名詞を代名詞に変更する等)があります。
※()内は劇中でそのセリフが出てくる目安の時刻です。
(ウェブサイトに)接続できない。
とてもシンプルな表現。いざという時、さっとこの一言が出るようにしておきましょう。
リモートワークで、ネット接続できない時などにも使える英語表現です。
ネットワークがダウンしている。
これも非常に短い英語表現。ネットワーク障害が起きた時などに使えます。
IT担当としては、このような事態になると顔面蒼白ですけど…。
私はセキュリティを担当している。
ハーバード大学の担当者からのセリフ。
「in charge of ~」(~を担当している)は、他作品でも何度も登場する英語表現。
それだけ使える英語表現ということで、私も日常業務で頻繁に使います。
サーバーを借りるのに現金が必要だ。
サーバーをレンタルするために、資金が必要であることを訴えるマークのセリフ。
ITサービスでは、利用サーバーの準備も必要になることがよくあります。
彼は業者経由でドメイン名を登録した。
「登録する」を表すには「register」を使います。
私も業務で起業ドメイン名の登録を行ったことがありますし、もちろんこのサイト用にもドメイン名登録を行いました。
サイトが公開された。
人々は参加手続き(登録)をした。
私はインターネット企業を設立したんだ。
マークのビジネス・パートナーとなる自分のショーンが、自分の経歴を説明する時のセリフ。
「found」を使えば「設立する、創業する」を表せます。
**********
『ソーシャル・ネットワーク』で気になることを質問!【ホズが答える】
安心してください。耳慣れない表現も出てくるかもしれませんが、難解すぎるということはありません。
演出がとても巧みで引き込まれるので、シーンとともに英語のセリフが頭に焼き付くように覚えられます。
なお、ハーバード大学という超エリート校内でも、学生たちはいかにも若者らしい、羽目を外した(おバカな?)こともやっていて、興味深いですよ。
プログラミング、ハッキング(!)、サーバー増強、ウェブサイト公開、サービス拡充といったシーンが出てきます。
以下のシーンなど、「あるある!」とうなづくIT関係者も多いのではないでしょうか。
- 利用者急増に対処するために、緊急で予算を確保してサーバーを拡張する
- 日常で思い付いたヒントをすぐサービスに適用してみる
- サービス停止に陥る事態を極度に恐れる
マークがハッキングするシーンでは、かなり専門的な内容を猛烈な早口で話すのですが、このセリフは内容も聞き取りもかなり難しい!(私も理解できるのは8割くらい…)
でも、全体のストーリーが分からなくなる心配はないので、ご安心を。
『ソーシャル・ネットワーク』のここにも注目!
新サイトやサービス開発の追体験ができる
ちょっとした発想から、サイトを開発してリリースするまではもちろん、その後、ユーザー拡大を狙った策がズバリと当たり、ユーザーが爆発的に増えていく様子が描かれます。
新しいサイトやサービスを開発していく時の興奮をぜひ追験してみましょう。
これだけの巨大サービスになると、当初予想していなかった問題も起きるですが、それも注目ポイントです。
アメリカのエリート階級社会も描かれる
ハーバード大学と言えば、誰もが知る世界の名門大学。あまり知られていない、その内情を垣間見ることができる作品です。
天才、秀才揃いの同大学内でも、さらにランク付けがあるとが分かります。
裕福な家庭に生まれ育ち、文武両道のウィンクルヴォス兄弟はエリートの象徴。その一方、コンピューターオタク(nerd)のマークは完全に異端児のような位置付け。
マークは「ファイナル・クラブ」と言われる特権的なグループに入ることもかなわず、鬱屈した感情を新サイト構築にぶつけていきます。
実話をもとにしたはずだけど、事実と異なる点あり!?
マーク・ザッカーバーグの伝記映画と言われることが多いのですが、実際には「事実をもとに脚色した作品」という扱い。
映画では、いくつか事実と異なる箇所があることも分かっています。
例えば、2003年当時、マークは後に妻となるプリシラ・チャンとすでに交際していたそうで、劇中登場するエリカとのエピソードはフィクションと思われます。
とはいえ、事実と異なる内容が含まれるのは他のドラマや映画でもよくあること。あまり気にせず、映画として楽しみ、英語教材としても活用していきましょう!
**********