まさに私の職場ではこの本に出てくるような会話が、ほぼ毎日交わされています。
つまり、この本では英語でのITプロジェクトを疑似体験できるとも言えますし、覚えてすぐ使える表現の宝庫です。
表紙にある「中学レベル英語でOK!」というコピーはちょっと言い過ぎな感がありですが(さすがに中学では習わない単語や言い回しが多々あります)、「現役エンジニアが使っているフレーズを満載」とのコピーのは偽りなし!です。
本書の特長 – 英語表現に加えて、効果的な説明の流れが身につく
Part 1 紹介・プレゼンテーション
Part 2 検討・決議
Part 3 交渉・説得
Part 4 会議体・合議・問題解決
Part 5 対面以外のコミュニケーション形式
本書のダイアローグで使われている基本的な会話の流れは以下が中心となっています。
①まず大まかに今直面している状況を簡潔に表現する
②個別に細かい事項や例外事項などを順に並べていく。
実際のビジネスでも、これができない人が非常に多いと感じます。自分の気になる点を真っ先に話し始めてしまうので、聞き手は全体像を把握できず、聴いている話の位置付けが分からないままとなってしまうのです。
話が少しズレますが、会議資料でも、まず一枚でサマリーとなるスライド(上記の①に該当)を準備し、全体像をはっきりさせることで、読み手・聞き手の頭の中に大枠が設定されるようにするのがコツだと考えています。
これから話すのはこの範囲の中のものです(=この範囲からは外れません)と規定する訳です。
また、時間がない人には、このサマリーだけ読んでもらうということもできます。もちろん、気になる点があれば個別スライドを参照すればOKです。
※余談ですが、日本人は、この大枠(範囲)を決めるという発想が弱い気がします。
Scrumなどアジャイル型の開発手法も
ウォーターフォール型だけでなく、Scrumといったアジャイル型の開発手法についても多く取り上げています。開発環境やテスト環境、サーバーやネットワーク等のインフラ導入のことを扱った章もあり、プロジェクトで話題になることは一通り扱っている印象です。
コラムも筆者の経験に裏打ちされた内容で、勉強になります。
英語もソフトウェア開発・導入の勉強もできる良書としておすすめできる一冊です。