ITや英語といった特性を活かすために忘れてはいけないこと

昨日、「『データサイエンティスト』の本当の生かし方」というテーマの、とても興味深いニュースを読みました。

普段から私が考えていることとも一致していて、大いに共感できる内容でしたので、ここで紹介したいと思います。

 

自分の特性を磨くのはビジネスの目的を達成するため

2019年10月、東京・虎ノ門で開催された「Innovation Leaders Summit 2019 EYイノベーションカンファレンス」に関するニュース記事から引用させていただきます。以下、登壇者の発言です。

「データサイエンティストがいれば、データをより有効に活用できるようになると言われますが、私は疑問に思っています。ただ『R言語が分かる』『Pythonが使える』というだけではダメで、そこにビジネスへの理解がなければ成果は出せません。我々が求めているのは、まず自分の専門分野をしっかり持ち、結果につながるデータを選別できる目を持つ人です」(板谷氏)

 

企業で一番活躍するのは、ビジネスに直面してデータを分析している人です。逆に、マシンラーニングなどの精度を向上させる、新しいモデルを作るといったことだけをやってきた人は、企業に入っても苦労する傾向がありますね。データサイエンスは目的を達成するための手段であるという認識が重要です」(野村氏)

引用元:NEC、楽天、第一生命保険が実践 「データサイエンティスト」の本当の生かし方
※引用文中、太字は管理者(hoz)によるものです。

上記の太字の部分、私はとても共感できました。

つまり、周囲から隔絶された状態でデータサイエンスに従事するだけでは、本当の意味での成果(ビジネス上の成果)にはつながらないということです。

 

ITスキル活用により、ビジネスの目的を達成できるかを考えよう

これはシステムエンジニア(SE)等のIT関係者にも全く同じことが言えると確信しています。

他の記事でも言っていることですが、目的を見据えてスキルを磨くことが重要です。

つまり、自分の特性を存分に活かしてビジネス上の目的を達成することこそ求められるのだとしっかり理解すべきなのです。

世の中では自分の専門分野の知識・スキルを磨くべしとよく言われますが、企業人である以上、その前提はビジネスの深い理解があることです。

したがって、会社の中で

「あの人はすごく変わった人だから、話しても仕方がないよ」

と思われるようでは、とてもよい実績を上げることはできないでしょう。

自分がどのようにビジネスに貢献できるのか - その判断には当然ながら、企業の経営戦略や目標、そこからブレークダウンされた各部門・部署の戦略や目標を正しく理解する必要があります。

普段の業務ではあまり意識することがない人もいるかもしれませんが、曖昧な場合は今一度確認することをおすすめします。

もちろん、英語のスキルでも同様のことが言えます。

重要なのは、英語もITもビジネス上の目的を達成するための手段ということです。

 

まずは小さな一歩から - こんなちょっとしたTipsも

「ビジネスの目的をしっかり理解しないといけないことは分かった。会社や部門の戦略や目標もしっかり理解したつもりだ。ただ、そこから自分のやるべき業務に落とし込むにはどうすればよいのか…?」

特にIT部門やベンダーではそんな迷いを持つ人も多いでしょう。

一つのおすすめの方法を紹介しましょう。

それはビジネス部門(業務部門)の人とざっくばらんに話せる機会を意図的に増やすことです。雑談の延長くらいの軽い場でも問題ありません。

これだけITのことが話題になる昨今ですから、逆に業務部門の人たちもITやWeb、デジタルのトレンドのことを知りたいと思っていることも多いものです。意識が高い相手であれば喜んで参画してくれるはず。

「いざ会ってみても、何を話してよいか分からず、話題に困りそう…」

という心配があるかもしれません。

そんな場合は、

「最近、面白いITサービスをみつけました。以前から会社の課題とされている〇〇業務の工数削減に活用できるかもと思ったのですが、いかがでしょう?」

というように、関心を呼びそうなサービスやテクノロジーをいくつか取り上げて、投げかけてみるのはいかがでしょう。

「それは使えそうですね。ただ、工数削減よりも新規契約の獲得に活用できるかを検討した方がよい気がします。例えば…」

というように、相手も意見を言いやすくなり、議論につなげていくことができます。

「何でも話してください」「何でも相談してください」

と言うより、こちらから何か具体的な投げかけをすることで、相手も率直な話しやすくなりますので、ぜひ試してみてください。

 

まとめ -ビジネスの目標達成に向けて、磨いた特性を存分に発揮しよう

決して殻に閉じこもることなく、自身のITや英語のスキルを最大限に発揮してビジネスに貢献できるチャンスを日々求めていきましょう。

よいチャンスをつかむことができれば、より自分の特性を磨く機会もまた増えるはずで、相乗効果が見込めます。

そんなチャンスは意外にアナログな人間関係や会話から生まれることも多いので、まずは小さな一歩として、業務側とのコミュニケーションを持つことも試してみてくださいね。

 

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